ビットコインをはじめとする仮想通貨の入手方法には、取引所で購入する方法の他にマイニングで入手する方法があります。
仮想通貨の取引の際に必要となる通貨の移動や暗号化の処理は分散化コンピューティングによって行われます。
必要となる全ての処理は小さなブロックとして分割され、そのブロックがマイニングツールを起動した世界中のユーザーのコンピューターで処理が行われた後で一箇所に集約されるブロックチェーン技術によって実現しています。
ブロックは暗号化された上に世界中のコンピューターに分散されるため、それら全てを傍受して暗号を復号するのは極めて困難な事から安全に取引が行われる仕組みです。
それらの処理を行った報酬として低確率で仮想通貨が付与される事がありますが、このプロセスが鉱山で鉱石を発掘する行為と似ている事から、採掘を意味する英語であるマイニングと呼ばれています。
付与されるコインは、数百コインもの塊である事もあれば1コインにも満たない小さな欠片である事もあります。
ビットコインでは市場のバランスを保つために発行総数を2100万枚と上限を設けており、上限に近付くほどマイニングで入手できる確率は小さくなり、個人のたった1台のコンピューターで仮想通貨を獲得するのは難しくなりました。
マイニングで一攫千金
しかし、それでも一攫千金を狙ってマイニングを行っている個人や企業が存在しています。
サーバールームにはマイニング専用のサーバーを無数に設置し、出資を募り仮想通貨を獲得できれば出資金額に応じた仮想通貨をリターンとして分配するというビジネスも登場しています。
また、複数のユーザーが共同で1系統のマイニングを行う採掘場では、集団で行う事で採掘の確率を高めながらコインを獲得できれば手数料を差し引いたコインが貢献度に応じて分配されるというサービスもあります。
その一方で、2017年初頭には利用者の急増によりブロックチェーンの処理が枯渇し、通常ならば数秒で完了する取引が数十分も待たされたり、エラーが発生して取引そのものが失敗するという事象が頻発するようになりました。
ビットコインとビットコインキャッシュに分裂
そのような問題を解決するために同年秋には、現状のシステムを拡張して再びブロックチェーンが枯渇する事態を先延ばしにしようというグループとそれでは問題の根本的な解決にはならないとして新規にシステムを構築しようというグループの議論が決裂し、現在はビットコインとビットコインキャッシュに分裂しています。
そこで発行枚数の上限がビットコインの2100万枚だけではなく、ビットコインキャッシュも2100万枚とされたため、発行枚数が開放された形となり、再びマイニングによるコインの獲得のチャンスが訪れたのと呼応するかのように相場も高騰し、ほんの少し前には下降傾向にあったマイニングの熱が再燃し活気付いています。
分散化コンピューティングを利用していたシステムが奇しくもコインの発行総数も分散化する形となり、一時は混乱は見られたもののマイニングで一攫千金を狙いたいユーザーにとって大きなチャンスが訪れています。